不動産STから資本市場全体へ──大和証券が描くオンチェーン化の道筋
大和証券グループのデジタルアセットビジネス担当者が、不動産セキュリティ・トークン(ST)市場の現在地とその先を語りました。国内初の公募型不動産STから約5年が経ち、市場は300億円規模の案件も登場するなど成長段階を迎えています。同社は今後、二次流通市場の整備、ステーブルコインやトークン化預金を活用した決済インフラの構築、対象資産の拡大を重要テーマとしています。
ブロックチェーンの価値は非常に大きく、証券の権利移転と資金決済を同時に完結できる点が注目されています。従来の資本市場では、約定から決済まで一定の時間がかかり、その間にカウンターパーティーリスクや資金調達コストが発生しますが、ブロックチェーンはこうした資本市場の仕組みそのものを変える可能性を持っています。同社は7月に品川のオフィス・ホテル複合案件を発表し、変動賃料を組み込むなど投資家への価値提供を工夫しています。
決済インフラのオンチェーン化が市場成長の鍵となります。現在、セキュリティ・トークン購入時の決済は従来の銀行振込が大半ですが、ステーブルコインやトークン化預金が普及すればDvP(Delivery versus Payment)が可能になります。さらに国債など市場規模の大きい資産のトークン化も視野に入っており、資産・流通・決済がひとつの市場として結び付く段階へ向かっています。