米クラリティー法案、上院での3つの対立が成立を阻む
米国の仮想通貨市場構造法案(クラリティー法案)が上院で難航しています。2025年7月17日に下院で294対134の超党派賛成多数で可決した同法案は、現在も上院銀行委員会の条文審議を通過できていない状態です。
最大の障害はステーブルコインへの利回り付与問題です。法案では単なる保有に対する利息支払いを禁止し、支払いや送金などの活動に連動した報酬プログラムのみを許容する方向で調整が進んでいます。仮想通貨取引所がステーブルコインに年4〜5%の利回りを付与すると銀行預金より高い収益が得られるため、銀行業界は資金流出を懸念し強く反発しています。加えて民主党はDeFi条項におけるマネーロンダリング規制の不十分さや、政府高官の仮想通貨事業からの利益禁止を求めており、共和党と対立しています。
2026年1月の上院銀行委員会による審議延期、コインベースCEOのブライアン・アームストロング氏による支持撤回、3月20日の妥協案発表後も業界が懸念を示すなど、交渉は難航を続けています。予測市場では2026年中の署名確率が一時約51%まで低下し、その後60%台に回復しています。たとえ銀行委員会で可決されても、上院本会議での60票以上の可決、農業委員会通過版との統合、下院通過版との調整、大統領署名という複数の手続きが残っており、中間選挙前の2026年8月までという厳しい時間制約の中での法制化が求められています。