金融オンチェーン化の根本問題「ブロックチェーンでなければできないことは何か」

出典: NADA NEWS

金融オンチェーン化の根本問題「ブロックチェーンでなければできないことは何か」

編集長が同じ週に参加した2つの集まりで、オンチェーン金融の実態と課題が浮き彫りになりました。一方では具体的な技術やシステムの話が、もう一方では「なぜ金融をブロックチェーンにする必要があるのか」という根本的な問いが投げかけられました。

金融機関の実務では、ブロックチェーン上への資産移転だけでは足りません。顧客資産の管理、台帳の照合、監査、権限管理、秘密鍵の管理など、既存金融が長年かけて構築した仕組みは引き続き必要とされています。金融システムは単なるITシステムではなく、仲介者、本人確認、信用管理、法律、責任体制といった制度全体で成り立っています。

進行中の「オンチェーン金融」は、既存金融を置き換えるのではなく土台とするものです。ステーブルコインは預金や国債を裏付けとし、トークン化商品は既存資産が前提となります。証券、資金、担保といった別々のシステムの資産をブロックチェーンという基盤で扱い、プロセス全体を組み替えることに意味があると筆者は考えています。ただし、既存金融との接続方法、ネットワーク間の流動性確保、問題発生時の責任所在といった課題は依然として残っています。